無窮 i ラボ Blog

知的ネット社会、知そのもの、機械との共生、プログラミングに関して。

 
 

要約論を実現する具体的な設計解を取得し(:設計)、その設計解を多面的に検証する(:設計検証)という知的作業は、異論を生み出すことに大きく貢献する。

ウェブによって、簡単な設計と簡単な設計検証ができる。


なぜ、オカンはデマを真に受けるのだろう - kobeniの日記

このブログ記事に対して、私は、はてなブックマークにおいて

信頼性判断のアルゴリズムの向上。個人の考えも集団の考えも、異論の異論を知ることができる仕組み(インターネット)があるから、何度も修正される。

というコメントをつけた。

なお、「異論の異論」とは、決して 2段階で終わるものではなく、異論の異論、その異論、そのまた異論、…… と多段階に及ぶ。


本記事では、「異論の異論を知ること」の前にある「異論の異論を生み出すこと」について考える。

異論を生み出すために大きく貢献する知的作業は

 ・設計

 ・設計検証

である。つまり、論を実現する具体的な設計解を取得し(:設計)、その設計解を多面的に検証する(:設計検証)のである。

なお、意味がある論は、少なくとも「仕様」を含む。


たとえば、

(1)「社会保障を充実させるべきだ」と言っても、意味はほとんど無い。
  ↓
  仕様化
  ↓
(2)「15歳までの子供 1人あたり、毎月2万6千円を支給すべきだ」は、意味がある論であり、仕様である。
  ↓
  設計
  ↓
(3)「年 4兆5000億円必要だから、消費税を 2%上げよう」は、設計解である。
  ↓
(4)「消費税を 2%上げると、(こういう影響があって...)」は、設計検証である。


(2)「15歳までの子供 1人あたり、毎月2万6千円を支給すべきだ」で止まっていては、異論は生まれない。

(4)「消費税を 2%上げると、(こういう影響があって...)」と考えるようになれば、異論が生まれやすくなる。


ここで、設計 と 設計検証 をする際に大いに役立つのが、蓄えられた知識とその知識を引き出す仕組みである。

即ち、図書館、そしてウェブ(「インターネット」)である。このウェブは、検索エンジン+ウェブページ(「ホームページ」)の組み合わせでもよい。Web2.0以前の概念である。

検索エンジンの使用だけでも、(簡単な)設計 と (簡単な)設計検証 ができる。つまり、設計解となる言葉を膨大なウェブページから探し出して設計し、その言葉について膨大なウェブページを対象に検索することにより設計検証ができる。
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佐々木 俊尚 : 電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書, 2010) pp.177-178.

>ニューヨークタイムズのソーシャルメディア部門で働くヴァリム・ラヴルシクさんと、彼の恩師であるコロンビア大学ジャーナリズムスクールのスリー・スリーニヴァサン教授がニューヨークで、「未来のジャーナリスト」というディスカッションを[2010年]二月に行いました。

 この中で二人は、「これからのジャーナリストに必要なスキル」として以下のような項目を挙げています。

 (1) 的確なタイミングで的確な内容のコンテンツを的確なスキルを駆使し、多様なメディアから情報を発信する能力。

 (2) 多くのファンたちと会話を交わし、そのコミュニティを運用できる能力。

 (3) 自分の専門分野の中から優良なコンテンツを探してきて、他の人にも分け与えることができる選択眼。

 (4) リンクでお互いがつながっているウェブの世界の中で、自分の声で情報を発信し、参加できる能力。

 (5) 一緒に仕事をしている仲間たちや他の専門家、そして自分のコンテンツを愛してくれるファンたちと協調していく能力。

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日本の偉い人(肩書きがある人, 社会的地位がある人, エグゼクティブ)は、ネットで発言しない *。

ネットで発言してもらうためには、3つの思想からなるフレームワークを発言者と聞き手に広める必要がある。

それは、

 ● 間違えても良い
 ● 翻しても良い
 ● (その代わりに)過去に書いたことをアーカイブの形でできるだけオープンにしておく

である。

発想の元:

梅田 望夫 : シリコンバレー精神 ――グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫, 2006) p.301.

> いま私たちは、ネットの進化のおかげで、誰もがカジュアルに情報を発信できる「総表現社会」とでも言うべき時代を生きている。いったん発表した「判断や断定」でも、あとになって、その判断に誤りがあったことに気付いたり、状況が大きく変化したことを認識すれば、考えが変わったことをリアルタイムで発信していくことができる。過去に書いたことを隠蔽するのではなくアーカイブの形でできるだけオープンにしておき、それと同時に自らブログを持てば、道具立ては全て揃う。...

 ネット時代を生きるこれからの筆者とは、一冊の本に静的にまとめられたコンテンツだけで評価されるのではなく、そういう長期的な営みに対して評価されるべきものなのである。


* :
日本のWebは「残念」 梅田望夫さんに聞く(前編) (3/3) - ITmedia News

>素晴らしい能力の増幅器たるネットが、サブカルチャー領域以外ではほとんど使わない、“上の人”が隠れて表に出てこない、という日本の現実に対して残念だという思いはあります。そういうところは英語圏との違いがものすごく大きく、僕の目にはそこがクローズアップされて見えてしまうんです。

初引用 : アテネの学堂たんぶら(2010/ 1/17)
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他者の働きが伝わってこなければ、我々の暮らしは原始人と変わらないだろう。

他者の知的行為が伝わってこなければ、我々の思考は原始人と変わらないだろう。
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形式知は、暗黙知の形式知化を促進する。

ある形式知を示された人は、それに関連する暗黙知を新たな形式知に転換する。
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