無窮 i ラボ Blog

知的ネット社会、知そのもの、機械との共生、プログラミングに関して。

 
 

2007年にこのような文章を書いた。

 真の IT革命 は電子図書館の完成によってなされる

>IT革命の本質は、低コストで(最高品質の)知を得られる状態への移行である。

この前言を撤回し、代わって、次を主張する。

  『 IT革命の本質は、自由の追求である。 』

以下、

 1. Web2.0 における「自由の追求」
 2. Web2.0 以前における「自由の追求」
 3. インターネット出現以前における「自由の追求」

と歴史をさかのぼりながら、民生化した情報技術が、自由を実現する基盤技術であることを示す。

これは、情報技術の劇的な向上である IT革命 の本質が、自由の追求 *1 であることを示す。

1. Web2.0 における「自由の追求」


Web2.0 は、野望ある個人に国家機能を提供する。国家は、個人の自由に対抗して存在し *2 、また個人はそれに大いに依存している。Web2.0 によって国家機能を得た個人は、国家への依存を減少させ、さらなる自由を得る。

詳細は、以下のエントリを参照のこと。
偉大な一個人が真に自由に活動するための方法: 自らを国家と為せ

2. Web2.0 以前における「自由の追求」


Web2.0 以前の IT革命世界でも「自由の追求」は見られた。

わかりやすい例では、個人がパソコンで公開鍵暗号を使える暗号ソフトウエア Pretty Good Privacy (以下、PGP と記す)がある。

PGP は民間人が使用できる暗号ソフトだが、その暗号の解読は、国家であってもきわめて困難であり、PGP による暗号の大量使用は、検閲を不可能にする。

PGPの開発者 フィル・ジマーマン (Philip Zimmermann) は、「自由」を意識しており、以下のように書いている。
サイモン・シン=著, 青木 薫=訳 : 暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで (新潮社, 2001) p.392.

>...しかし、情報化時代において暗号を語ることは、政治権力、とくに政府と人民の力関係を語ることなのだ。それはプライバシーの権利、言論の自由、政治結社の自由、出版の自由、理由なき取り調べや逮捕からの自由、他人に干渉されない自由にかかわる問題なのである。

3. インターネット出現以前における「自由の追求」


インターネット出現以前から存在する情報インフラに図書館がある。国立国会図書館は、

 真理がわれらを自由にする
 
を設立の基本理念とする。公共図書館の最大の役割はインフォームド・シチズンの育成と維持なのだ。

「真理が」どのようにして「われらを自由にする」のか。その疑問の答えは「ファクト・ベースの意思決定」*3 である。
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常川 真央, 小野 永貴, 安西 慧, 矢ヶ部 光 : 利用者のつながりを創り出すコミュニティ指向型図書館システム, 情報処理学会研究報告 DD, 65 (2008) https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/dspace/handle/2241/98548 *1(注釈はコメント欄に表記) を読んで感じたこと・考えたことが、3点ある。

1. 「社会に意義のある知識創出を目指すためには、コミュニティの形成は欠かせない課題である」に引き込まれた。
2. 図書館には 図書分類・相互テクスト性・コミュニティの3構造が存在する、と考える。
3. 図書館は 公共・コミュニティ・個人の3要素が集う場所である、と考える。


1. 「社会に意義のある知識創出を目指すためには、コミュニティの形成は欠かせない課題である」に引き込まれた


この論文の冒頭は、以下である。この冒頭で、一気にこの論文に引き込まれた。

> 社会に意義のある知識創出を目指すためには、コミュニティの形成は欠かせない課題である。学問・政治・企業など社会における様々な局面において、互いに学び合う環境があり、コミュニティを形成した上での知識創出が見られる。

コミュニティ形成が不得手な私としては、身につまされる思いがする。

2. 図書館には 図書分類・相互テクスト性・コミュニティの3構造が存在する、と考える


図書館には、図書分類・相互テクスト性・コミュニティの3構造が存在する。

● 図書分類

実施者: 図書館運営者(公共)が唯一つ形成する。

端的に表われるもの: 書架・分類ラベル

構造: ピラミッド型

● 相互テクスト性 (相互テクスト性とは、本同士の関連性の網のことである *2)

実施者: 個人あるいは集団が個々に形成する。

端的に表われるもの: Shizukuシステムにおける「仮想本棚」(一般化して、個人あるいは集団が個々に形成する書架と表現できる)

構造: ネットワーク型

● コミュニティ

実施者: 本が個人を求心して形成する。

端的に表われるもの: 図書カード(図書貸出票)

構造: ネットワーク型

3. 図書館は 公共・コミュニティ・個人の3要素が集う場所である、と考える


2.を別の側面から見ると、図書館は、公共・コミュニティ・個人の3要素が集う場所であると言える。図書館は、3要素の架け橋としての機能を持つ *3。

● 公共

知識を分類し、組織化する。*4

● コミュニティ

「社会に意義のある知識創出」を行う。

● 個人

個々の思考を担う。*5
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「第3ネット構想」というものを今、考えている。

「第3ネット」とは、ピラミッド型に構造化された知を表現するインターネット上の資源を意味する。

対して、「第1ネット」は、ネットワーク型の知を表現するインターネット上の資源を意味する。

「第2ネット」は、インターネット上のツール、計算スクリプトを意味する。

これまでは、ネットワーク型の知に対する趣向だけであったが、今後はピラミッド型に構造化された知にも力を入れていこうと思う。

「第3ネット」の実現の形態には以下がある。

1. 思想のみ(心づもりのみ)。

2. 実行を伴う。

 2.1 既存のサイトの内容を、ピラミッド型に構造化する。
  2.1.1 ネットワーク型の知は、既存のサイトから除く。
  2.1.2 ピラミッド型・ネットワーク型の知をともに既存のサイトに共存させる。ピラミッド型の知にはマーキングを施す。

 2.2 ピラミッド型に構造化された知を扱う新サイトを立ち上げる。
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ジェフ・ホーキンス, サンドラ・ブレイクスリー : 考える脳 考えるコンピューター (ランダムハウス講談社, 2005) p.111.

> 知能の高さは、現実世界のパターンを記憶し、予測する能力によって測定される。


どのようにして「予測する」のか?

同書 p.201.

>普遍的な記憶のシーケンスを新しい状況に適用することが、予測なのだ。だから、新皮質でのあらゆる予測は、類推によっておこなわれる。過去から類推することで、未来を予測する。


「普遍的な記憶のシーケンス」とは何か?

同書 p.145.

> 階層構造の各領域で予測できるシーケンスが「名前のついた対象」に縮められることによって、階層をのぼるごとに普遍性が得られていく。このようにして、普遍の表現ができあがる。

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質問に回答していくことによって、企画のアイデア出しを行える「TRIZ 問題解決アイデア発想支援ツール」をつくりました。

アイデア創発の素振り:TRIZ――10分以内に「それ、どうやって実現するか」を思いつく方法 - ITmedia Biz.IDに示された、石井 力重 氏によって意訳された「TRIZ(トゥリーズ)」を参考にしてつくりました。

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