無窮 i ラボ Blog

知的ネット社会、知そのもの、機械との共生、プログラミングに関して。

 
 

「アテネの学堂」の基本的な精神支柱は、以下の2つの文章であると、私は考える。

日本国憲法 第21条

―― 1946年公布

1. 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2. 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。



図書館の自由に関する宣言

―― 日本図書館協会 1954年 採択 1979年 改訂

抜粋

図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする。

1. 日本国憲法は主権が国民に存するとの原理にもとづいており、この国民主権の原理を維持し発展させるためには、国民ひとりひとりが思想・意見を自由に発表し交換すること、すなわち表現の自由の保障が不可欠である
 知る自由は、表現の送り手に対して保障されるべき自由と表裏一体をなすものであり、知る自由の保障があってこそ表現の自由は成立する。
 知る自由は、また、思想・良心の自由をはじめとして、いっさいの基本的人権と密接にかかわり、それらの保障を実現するための基礎的な要件である。それは、憲法が示すように、国民の不断の努力によって保持されなければならない。

この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。

第1 図書館は資料収集の自由を有する

第2 図書館は資料提供の自由を有する

第3 図書館は利用者の秘密を守る

第4 図書館はすべての検閲に反対する

図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。

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ネットには、リアルには有る「他者を従わせる強制力(社会的な決断力)」が無い。


ネットとリアルの相互関係として、以下を提案する。

 ● 安定時

 ネット→リアル : 多様な意見の提供

   リアルは、社会的な決断をし、社会的な行動を実施する。

 リアル→ネット : 言論の自由の提供、リスペクト *

   * リアルにおける社会的な決断の際に、ネットの声がいかに検討されるかが、リアルのネットに対するリスペクトを表わす。

 ● 不安定時――リアルによる、言論の制限、非リスペクトに対して、

 ネット→リアル : 多様な反論の実施

  リアルはネットに「包囲」されているため、ネットの「包囲」的反論に対して、脆弱である。
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ネットは、超民が集う、超空間である

「ネットの存在目的のひとつは問題解決である」ことを意識する人が利用するネットを、
「ネットの存在目的のひとつは問題解決である」ことを意識する人は、超有益だと考えるだろう。
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● 人の総動員を可能にする ――これは、ネット自身を強化する。

ある問題に関心を持つ人が増える。そして、問題解決法が数多く生まれ、それぞれが多くの目で吟味される。

Twitter / TAKAGI-1: ネットの強みは情報を加工して再配信できる人が無数にいることかな。Aという情報に関心をもたなかった人でも、情報Aを加工してできた情報A’には関心を持つかもしれない。情報Aとその亜種に関心を持つ人がかけ算で増えていき、多数の人により吟味される。「無関心」の問題を解決できる。


● 既存知の総動員を可能にする ――これは、ネット利用者を強化する。

意見が再使用される。ある問題に対して提案された解決法が、他の問題に対しても有効かもしれない。

なお、これは知の蓄積がネットにあるからである。ネットには、いままで、一般にアクセス可能な状態で積み上げてこられなかったような知 * が、一般にアクセス可能な状態で積み上げられている。

  * 例えば、ライフハック(lifehack)。
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ネット上の意見は近視眼的だと言われる。ネット上の意見を「短い道路」に例えよう。

「短い道路」が多数存在することが認識されると、「短い道路」をつないで「長い道路」をつくろうという意志が発生する。

なお、「長い道路」をつくろうという意志は既存メディアの中にしか存在しないのではない。ネットにも存在する。

「短い道路」が多数存在することを、利用者に認識させる仕組みが重要なのである。
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ネット上の多様な意見を紹介する『意見サーチ』 (2012/7/22移転。移転先の現アドレス:) 『意見サーチ』の公開を開始しました。

知の生産者にとって「出口」である検索です。


ご意見・ご感想などは、コメント欄にお願いします。


補足:
開発コード Yシステム(Yagokoro, 八意)
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検索は、知の消費者にとって「入口」であるが、知の生産者にとって「出口」である。

知の消費者の「入口」として適した検索と、知の生産者の「出口」として適した検索は、異なる。

Googleは、知の消費者にとって「入口」である。Googleは、答えを与える。PageRankアルゴリズムにより、もっとも価値があると判断された答えを利用者に提示する。

検索を「入口」として使用する利用者は、「入口」すぐに目的の知識があることを望む。

確かに、真偽を問う内容ならば、真実の知識だけを利用者に提示すればよい。

対して、意見に関しては、正しい意見が多数存在する。しかし、「入口」すぐに利用者が目的とする知識を提示しようとする Google は、順位が中くらいの意見を利用者に提示する仕組みとして適していない。

これが、ネットにあまり詳しくない人から、ネット上の意見は「単一的だ」といわれる理由になっているのではないか。


個々人が発信者であるネットには、多様な意見が存在する。検索を「出口」として使用する利用者は、自分の意見が広く読まれることを望む。

知の生産者にとって「出口」である検索は、意見の多様性を保ったまま、検索結果を利用者に提示する。



補足:

意見の多様性を保ったまま、利用者に知識を提供する仕組みとして、「まとめサイト」がある。

しかし、「まとめサイト」は人手による。人手では非力だ。"くわ(鍬)"・"もっこ(畚)"ではブルドーザに勝てないのである。

機械による仕組みが必要だ。それが、知の生産者にとって「出口」である検索なのである。
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「考える」とは、書くことである。

書くとは、ストック的性質をもち、道をつくることである。

その道の道筋・終点は誤っているかもしれない。しかし、それでも道が無いよりはよい。
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分類には、常時の集約性がある。

検索には、臨時の集約性がある。

検索によって得られる集約性(寄せ集め)を、分類によって得られる集約性(組織)に勝てるようにできるかが、検索世代の課題だ。
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● 1990年以前

 情報をフローさせる : 人間
 ↓
 情報をストックに適させる : 人間
 ↓
 情報をストックする : 人間


● これまで

 情報をフローさせる : 人間
 ↓
 情報をストックに適させる : 人間
 ↓
 情報をストックする : 機械


● 近い将来まで

 1次情報をフローさせる : 機械
 ↓
 2次情報 * をフローさせる : 人間
 ↓
 情報をストックに適させる : 人間
 ↓
 情報をストックする : 機械


● 将来

 1次情報をフローさせる : 機械
 ↓
 2次情報をフローさせる : 人間
 ↓
 情報をストックに適させる : 機械+人間
 ↓
 情報をストックする : 機械


 * 新聞はジャーナリズムでもネットに負けるのか ITジャーナリスト・佐々木俊尚インタビュー vol.1 | 田原総一朗のニッポン大改革 | 現代ビジネス [講談社]

>佐々木 もちろんいまでも一次情報、つまり取材して書いた記事に関しての信頼性は高いと思うんです。でも結局、いま求められている情報というのは、必ずしも一次情報だけじゃなくて、それをいまの世の中でどう位置づけるのか、あるいはわれわれが生きていく中でどうそれを判断すればいいのかというレイヤー(層)のほうが重視されるようになってきているんです。

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真の発見とは、新しい知識を獲得することではなく、新しい見方を獲得することである。

ジェラルド・M.ワインバーグ=著, 伊豆 真弓=訳 : ワインバーグの文章読本 (翔泳社, 2007)
p.48.

>真の発見の旅は、新しい景色を求めることではなく、新しい目をもつことにある。

マルセル・プルースト


● 本田宗一郎の「見」と「観」

若松 義人 : トヨタ式「スピード問題解決 (PHPビジネス新書, 2008) p.82.

>同じものを見ても、目的が違うと見え方が違うわけだ。ものごとは、見学の見ではなく、観察の観で見ないと本質はつかめないというのが本田氏の話の趣旨であった。


● 創造、宇宙に思いもよらぬ切り子面を刻む――ホルヘ・ルイス・ボルヘスが、「ノソトロス」誌に発表した〈ウルトライスモ宣言〉の一節。

J.L.ボルヘス=著, 鼓 直=訳 : 伝奇集 (岩波文庫, 1993) p.268. 解説より引用。

>二つの美学が存在する。鏡の受動的な美学と、プリズムの能動的な美学。前者に導かれて芸術は、環境もしくは個人の精神史の客観的な模写となる。後者に導かれて芸術は、みずからを救い、世界をその道具とし、空間と時間という牢獄から遠く隔ったところで、独自のヴィジョンを創出する。これが〈ウルトラ〉の美学である。その意志は創造にある。宇宙に思いもよらぬ切り子面を刻むことにある。


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思考は、フローメディアに関する行為である。

(対して、ストックメディアに関する行為は、記憶と再生である。)

ある分野について思考する一つの手段として、その分野に関するフローメディアの形成がある。

そのフローメディアを構成する機能単位のうち、主なものは、予測エンジンである。
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対象(たとえば、環境・敵)を、

 常に計測し、
 対象によく一致したモデルを構築し(計測結果によって逐次修正し)、
 対象の行動を予測する

仕組み。

軍事分野にあてはめれば、それは、射撃管制システムの、目標の未来位置予測技術の発展型である。

気象予報の仕組みは、ヒューマンマシンインターフェイスの面も含めて、この仕組みの構築に多くの示唆を与えるだろう。
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以下の3つの信念が導く結論は、ネットによって意思決定を強化された社会の成立である。

 1. 有能な人は、可能ならば、ネットを使う。(ネットしか使わない、とは言っていない)

 2. 有能な人は、少なくとも、知的生産を行え、ネットを使えるだけの(経済的)資源をもっている。

 3. 意思決定者には、(比較的)有能な人がなる。


1.は、「アテネの学堂」に対する信念であり、2.、3.は、社会に対する信念である。

問題は、3. が実施されるスピードである。
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