無窮 i ラボ Blog

知的ネット社会、知そのもの、機械との共生、プログラミングに関して。

 
 

現在の業績は、新しい試みによって、これまで培われてきた過去の業績に現在的意義を付与する。

そして、現在的意義を付与された過去の業績と新しい現在の業績が一体になった統合体――これは漸進進化した秩序をもつ――が、未来に向かって進む。


これは、ブログ管理人による以下の解釈である:

森 博嗣 : 冷たい密室と博士たち (講談社文庫, 1999) 西澤保彦氏による「文庫版解説」より

pp.413-414.

... T・S・エリオットの『伝統と個人の才能』という評論の中に以下のような一説がある。

『... 現にすでに存在している幾多の作品は、それら相互間に、理念的な意味での一つの秩序を形づくっている。そこへ新しい(真実新しい)芸術作品が入ってくると、その秩序に修正が加えられていく。現に存在してる秩序は、新しい作品が出現するまでは完結していた。そこへ新しいものが附加され、しかもなおそのあと秩序が保たれてゆくためには、現に存在する秩序の全体がたとえ僅かでも変更されざるをえない。かくして、全体に対する、芸術作品の各々の関係、均衡、そして価値が再調整されてゆく。これが、古いものと新しいものとの間に生ずる順応ということである』(筑摩書房刊『筑摩世界文學体系七十一』より)

 簡単に言えば、伝統とは財産のように相続されてゆくものではなく、過去の過去性のみならず、その現在性の認識を含む歴史的感覚に裏打ちされた相互干渉的な〝化合作用〟に他ならないということだ。

p.415.

 現代本格に携わる実作者の使命は、その否定 [:小説における論理的整合性の否定。人間は完全に合理的には行動しないことを、これを小説に反映する必要がある。] を可能にする手法なりテーマなりを持ち込むことで、自らの新しさを主張するのみならず、それによって過去の幾多の作品の過去性と現代性を再調整し得る〝発見〟をもたらすことである。すなわち、本格作家たちが、これまで苦闘してきた試行錯誤に付与できる意義を創造しなければいけない、ということでもある。

p.416.

私の考える現代本格の使命とは、新しい試みをもって、これまで培われてきた過去の業績に現在性を付与することにより、自らも再調整された伝統の中に組み込まれ、そして未来に繋げることにある。

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「アテネの学堂」としてのインターネット(のアプリケーション)によって、日本を支え、向上させたい。


発想の元:
アルベルト・マングェル=著, 野中 邦子=訳 : 図書館 愛書家の楽園 (白水社, 2008) p.270.

> パニッツィ[:大英博物館図書館主任司書。サー・アンソニー・パニッツィ Sir Anthony Panizzi (1797-1879)]は...何よりも、「書物が織りなす網」によって、イギリスの文化と政治の本質(アイデンティティ)を支えたいと願っていた。

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数値化された世界を扱うことが、数学・物理の活用である。

数値情報と予測行為は、親和性が高い。
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知的ネット社会を形成するための3思想

>(1) ネットの使い道のひとつは、問題を解決することである。
(2) 言論・表現の自由を尊重する。
(3) 知的ネット社会は多様性を強みにもち、リアル社会に多様な思想を提供する。


(1)に示す「問題解決」が「アテネの学堂」機能である。(2)は前提、(3)は役割を示す。

(1)が現在、(2)が過去、(3)が未来に対応する。
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Intel のCM。

>奔放な性格の彼女は、僕の連載依頼をいつまでもはぐらかしていた。
書きたい物が浮かぶまで簡単には引き受けてくれないタイプのようだった。
『知りたいことがあればどこにいても知りたいの』知性って綺麗なんだな、と思った。
そう、パソコンがあれば世界中につながる。
知りたいことはいつでも(どこにいても)知ることができる。
人間らしく生きる、ってもしかしたらパソコンをうまく使うことで
手に入れたりできるのかも知れない。また、そう思った。

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2010年8月31日、『知的ネット空間「アテネの学堂」 5つのリスト』の公開を開始しました。

本文章では、リスト表示(箇条書き)を用いることによって、「アテネの学堂」の形成という茫漠な課題を簡単化しました。


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