無窮 i ラボ Blog

知的ネット社会、知そのもの、機械との共生、プログラミングに関して。

 
 

ファースト、セカンドに留まらず、サードオピニオンを手に入れよう。ネット上の多様な意見を紹介する『意見サーチ』が、パワーアップして登場。

  http://takagi1.net/iken/

この夏のエネルギーの国民的議論に間に合わせるべく、2010年に公開を開始した『意見サーチ』を改修・改良しました。

主な改良点は、ソーシャルメディア対応にしたこと。結果表示ページのアドレスを短縮し、さらに結果表示画面に「共有する」リンクを設けてTwitterへの投稿を簡単にしました。

改修・改良のきっかけは、

 佐々木俊尚氏の 「脱原発に向かうためのネット論壇の課題。佐々木俊尚「『落ち着くところに落ち着く』では、日本社会は進歩しない」」
 
を読んだことです。ネットユーザ一人一人においてネットが単一な内容になる、すなわちネット上で単一の意見にしか接しない、いわゆる「半径ワンクリック」の問題が大きくなっていることを感じました。

ネットの大きな長所のひとつは、制限の無さから生じる多様性です。しかし、人の性(さが)が、それを利用する際に単一的なものにしがちです。

人の性(さが)を苦なく矯正することが、機械がもつ役割のひとつです。

しかし、最もよく使われるネット上の機械である検索エンジンは、ネット上の多様な意見を順位づけして表示することによって、単一的にしてしまいます。検索結果最初のページにはファーストオピニオン、セカンドオピニオンしか表示されないのです。検索結果をどんどん読んでいけば、多様なサードオピニオンに出会います。しかし、人は検索結果最初のページでほとんど満足してしまい、それ以上を読むことは少なく、多様なサードオピニオンに出会わないのです。

ネットの長所である多様性を活かすには、新たな機械が必要です。

『意見サーチ』が、まさにこの機械であり、ソーシャルメディア対応により、ますます、ネットの多様性を活かす役割を果たしていきます。そして、我が国の言論を豊かにし、我が国の社会がもつ問題解決力の向上に寄与していきます。
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鷲田 清一, 内田 樹, 上杉 隆, 岩田 健太郎, 藏本 一也 : 有事対応コミュニケーション力 (技術評論社, 2011) p.57.
内田氏による:

 情報難民の大量発生というのは、言い換えると「世の中の成り立ちがよくわからない(でも、本人は熟知している気になっている)人たち」が大量発生するということです。... 日本の情報格差がこのまま進行して、世の中の成り立ちについても、人の道についても、何もわかっていない大量の若者たちを抱えこんだときに、私たちはいったいどうすればいいのか。その社会的コストを誰が負担するのか。

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津田 大介 : 動員の革命 - ソーシャルメディアは何を変えたのか (中公新書ラクレ, 2012) p.127.

相反するように見えるマスメディアとソーシャルメディア。この2つのメディアの役割について面白い指摘をした人がいます。

「不確かな情報の検証はプロの仕事。ソーシャルメディアはニュースへの多様な視点を提供するもの。そして拡声器であり、情報源である」

 僕も全く同感です。発言主は誰か。実はウィキリークス代表のジュリアン・アサンジなのです。


猪瀬 直樹 : 言葉の力 -「作家の視点」で国をつくる (中公新書ラクレ, 2011) pp.202-203.

 もはや既存のマスメディアは過去の遺物にすぎないのだろうか?

 この問いに対して、米国 TechCrunch の編集者・エリック・スコフィールドは「ツイッターはメインストリームメディアを増幅する――代替するわけではない」( http://jp.techcrunch.com/archives/20110502twitter-media-amplifies/ )と主張した。

なるほど、多くの人々が最初にこのニュースを知ったのはTwitter上でだった。しかしほとんどの場合、その情報源はメインストリームメディアだった。(中略) ビン・ラディンの死亡が確認されたのはメインストリームメディア(CNN、NYT、その他)だった。キース・アーバーン自身の情報源さえ軍や政府関係者ではなく、「事情に通じたテレビ・ニュースのプロデューサー」だった。   (滑川海彦訳)



さて、「拡声」され、また「情報源」になったソーシャルメディアでの情報例が、猪瀬氏の著作に載っている:

猪瀬 直樹 : 言葉の力 -「作家の視点」で国をつくる (中公新書ラクレ, 2011) pp.23-24.

イギリスにいた直仁さん(@true_jentleman)はツイッターに書き込んだ。

「拡散お願いします!」障害児童施設の園長である私の母が、その子供たち10数人と一緒に、避難先の宮城県気仙沼市中央公民館の3階にまだ取り残されています。下階や外は津波で浸水し、地上からは近寄れない模様。もし空からの救助が可能であれば、子供達だけでも助けてあげられませんでしょうか。

...

 そのときは、みんな混乱していたからデマも多かった。しかし、この文章は5W1Hがしっかりしているから、おそらく間違いないと判断できる。すぐに東京消防庁の防災部長を呼んだ。

ここから、「拡声」され、また「情報源」になりうる情報のひとつの特徴として、5W1Hがしっかりしていることを挙げることができる。
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