無窮 i ラボ Blog

知的ネット社会、知そのもの、機械との共生、プログラミングに関して。

 
 

ラハフ・ハーフーシュ=著, 杉浦 茂樹, 藤原 朝子=訳「「オバマ」のつくり方 怪物・ソーシャルメディアが世界を変える」の骨格となる構成は、オバマの選挙事務所によるネットの使い方の説明・解説であり、SNSの立ち上げ・民主党予備選挙・本選挙の段階や、各SNSについて、それぞれに4つほどの指針をあげて、解説しています。

しかし、重視すべきは、その解説のなかに描かれる、SNSによる情報伝達・組織化とオンラインツールによる個人の強化によって、理想・手本・議題が示された中で活動する、強化された個人(支持者)の様子です:

支持者には、オバマに関する(マスメディアの編集によらない)情報が伝えられただけではない。※

  ※なお、他陣営からオバマへ攻撃があった場合には、即座に、カウンター情報が支持者に伝達・共有された。

支持者は、オンラインでのトレーニングやオンラインツールによって、オバマの支持を広める能力を強化され、オフラインでも活動した。活動には評価が与えられ、ランキングがつくられ、共有された。このランキングが支持者の活動を促した。

強化され活動する支持者は、様々な活動を通して、(潜在的な)票や献金を集めた。活動する支持者個人個人は、オバマ個人では表現できない、人種・境遇・地域の多様性をそれぞれに具現し、有権者にオバマへの投票を納得させる力が強かったことだろう。

個別の議題についてオバマの政策に反を表明する、支持者のグループ(メンバーは 2万3千人)もあった。当該政策によって起こりうる市民の自由に対する行政の権力乱用が懸念された。オバマは、明確な声明を発表し、オンラインでこのグループ(のメンバー)と対話することで、「不満や抗議の表明」を「建設的な議論」に変えた。このグループは、当該議題に関しオバマが注意を傾ける優先順位を高め、行政の権力乱用を防ぐ措置を手厚くする旨を大統領候補たるオバマにコミットさせた。

支持者SNSは、選挙後、「重要なアジェンダ[:議題]について立法化を促すパワフルな草の根組織」をめざして改められた。


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意思決定において、様々な案は、以下の4つに区分できる:

 1. 採用案
 2. 採用案の修正に使われる有力案
 3. 報告書に「○○という意見もあった」と書かれるが、採用案に反映されない少数案
 4. 無視される極少数案

多くの人の意見を聞くことは、その区分を自信をもって実施することにつながる。

※ 3.の存在は重要である。なぜならば、意思決定側からすれば、採用案を実行した結果が失敗した時に、2. と 3. から次の採用案を作ることができる。また、3. を支持する人からすれば、報告書の文面を土台にして支持を広める活動ができる。


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政治に緊張感を与えるために、自らは事業家たれ。

即ち、

・創造と構想に立脚せよ。

・聞け。そのために話せ。
――情報の入口・出口を増やせ。有力案・代替案への賛成・反対を集め、語れ。印象ではなく絵姿を表し、そして、聞け。

・権利を行使せよ。ただし、何かを要求する前に、努力しなければならない。


※本文章は、2012年12月衆院選を挟んだ、知的ネット社会に関する投稿まとめを土台に、鈴木 健二=著「気くばりのすすめ」にある民主主義に関する記述を参考にして作成しました。
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