無窮 i ラボ Blog

知的ネット社会、知そのもの、機械との共生、プログラミングに関して。

 
 

「知的ネット社会」とは、〈多くの人々がつながり、持ち寄られた知性と、それを支援する装置によって、社会が問題を解決する能力を高める場〉を指します。

ごはん:

人類は、世界のシミュレータを延々と作り続け、それで検討した結果をリアル世界に適用してきた

4つエンジンの日本にしよう――知性強靱社会の実現のために (2015年10月31日)

おかず:

社会及び「知的ネット社会」に関する私の考え方の大系 2016年10月現在

  ・ 泉ちゃんになろう ―― 経営的な(:「知的ネット社会」が目指す社会にするための)視点から見た、「知的ネット社会」が自身と社会に提供するもの、〈よい揺さぶり〉と〈冷静さ〉 に相当する。
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DeNAのWELQ問題: DeNA社が運営する医療情報サイト「WELQ」が、検索エンジン対策のノウハウを盛り込んだ偽情報の記事を大量製造した事件。その結果、これらのウソ記事が、検索エンジン上位を乗っ取った。

この問題のひとつの側面は、検索エンジンの敗北である。

情報の信頼性の問題を、現在の検索エンジンは解決しきれなかったのである。

信頼性の高い情報を得るには、ネットユーザー自身の手間(あるいは、金)が必要である。スケールフリーな(=大勢の利用者が快適に利用できる)サービスを実現するには、利用者に自発的行動をさせることが、一つの助けになる。

しかし、何から何まで手間を掛けるわけにはいかない。文章を書く時に辞書を引いても、会話中に辞書を引くことはない、のと同じである。

ただ、辞書を引くコストを下げれば、辞書を引く回数は増えて、言葉の使い間違いが減る。
ならば、信頼性の高い情報を得るための手間を減らせばよい。それにより、人々は信頼性の高い情報を得るようになるだろう。

そこで、9年前に作った、

  サーチライト・システム

をアップデイトした (2016/12/18)。

しかし、この思考には、穴がある。手間を減らしたところで、信頼性の高い情報を得ることの価値が普遍的に認識されていなければ、減った手間は掛けられないのである。

ここで、この言葉を思い出した(と、そのときは思った。詳細後述):

  真理は、われらを豊かにする

確認すると、実は、国立国会図書館の設立理念ともいわれる「真理がわれらを自由にする」と、第14代 国立国会図書館長の長尾 真氏(在任期間: 2007-2012)が任期中に掲げた理念「知識が我らを豊かにする」が、私の頭の中で、組み合わさっていた。

「真理は、われらを豊かにする」が、普遍的に認識されていなければならない。

初出:
Facebook 2016/12/14
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DeNA南場智子会長「ネット情報役に立たなかった」 亡くなった夫の闘病で  - SankeiBiz(サンケイビズ)

南場氏は...「... 家族の闘病が始まったときからネット情報も徹底的に調べたが、それほど役に立たず、がんに効くきのことかいう話が出てきて、信頼できないと思った」と語った。

 南場氏はさらに、「私の情報収集は基本的に論文と専門家からのレクチャーを受けることを中心にしていた。ただ毎日同じ病気の患者のブログはチェックしていた」と述べた。


これを読んだ時に思い出したのが、「EPIC 2014」でした。

日本語訳 (「EPIC 2014」 : ネットは新聞を殺すのかblog より):

最高の状態では、EPICは、見識のある読者に向けて編集された、より深く、より幅広く、より詳細にこだわった世界の要約といえる。

しかし、最悪の場合、多くの人にとって、EPICはささいな情報の単なる寄せ集めになる。
その多くが真実ではなく、狭く浅く、そして扇情的な内容となる。


世界は、分断しています。

豊かさや社会的地位だけではありません。思想の土台になる情報源において、分断しています。

日本における「一億総中流」という統一された世界は、終戦によるリセットと、多くの人を受け入れる成功への大通りがあった高度成長がもたらした、貴重な世界だったのでしょう。

メトカーフの法則「ネットワーク通信の価値は、接続されているシステムのユーザ数の二乗(n^2)に比例する」によれば、分断した世界よりも、統一された世界のほうが価値が高いです。

初出:
Facebook 2016/12/ 9
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人類は、世界のシミュレータを延々と、作り続けてきたのである。

太古には、飢えないために、獲物の動きのシミュレータを脳内に作った。

神話、和歌、哲学(科学)、芸術、そして現在生み出される様々なテキスト・マルチメディアデータは、世界のシミュレータだ。

シミュレータで検討した結果を、リアル世界に適用することにより、世界を時により良くし、常に破綻を回避してきた。

初出:
Facebook 2016/12/ 3

関連:

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2016年11月、神奈川県海老名市の、海老名市立中央図書館を訪れましたので、感想を書きます。

同館は、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と図書館流通センターが共同で運営しています:

まず、館内(書店部分、カフェ部分を含む)には、様々な年齢の利用者が大勢いて、しっかりと機能していることが分かりました。

● 本がそこに現に存在することがもたらす心理的影響

海老名市立中央図書館は、蔦屋書店と公共図書館が一体になった複合体です。

館内の検索端末の画面では「本を買う」と「本を借りる」が、並列に扱われています。リアル書店とリアル図書館の共同戦線に見えます。

ネットに対する、リアル書店・図書館の最大の長所は、本が現にそこに存在することです。それを活かすために、利用者の視野を本が占めるように、配置が工夫されています。

それによって、例えば、日本十進分類法に則った配置がされていないために、目的あるリアルでの検索性能は落ちているかもしれません。しかし、目的ある検索は、電子的に実施できます。

館内には、全国の地域フリーペーパーがあり、また明治期の全国地図の大判の本が置いてあります。

遠くの地域は大雑把に考えてしまいがちですが、フリーペーパーは遠くの地域に細かな暮らしがあることを認識させてくれます。

また、明治期の地図は、時間方向に意識を向かわせます。この世界が決してポッと出ではなく、綿々と続き築かれてきたことを認識させます。

関連:

「君の名は。」(2016)における、時間次元でのつながりとしての「結び」
―― 「君の名は。」(2016) 鑑賞メモ


● 公共図書館の多様性

前述のように、海老名市立中央図書館は、従来の公共図書館とは、別物です。

従来の公共図書館は、日本十進分類法に則っているため、一定の機能を備えていることが保証されていました。

海老名市立中央図書館は、日本十進分類法に則っておらず、従来の公共図書館と同じ機能があるかどうかは保証されていません。もしかしたら、とんでもない抜けがあるかもしれません。

しかし、公共図書館は、多様になり、民に多様な知的支援を実施するべきです。1963年の「中小レポート (中小都市における公共図書館の運営)」以来、公共図書館は、数を増やしてきました。

一定の機能を備えていることが保証されていなくても、図書館と図書館がネットワークを築くことによって、その弊害は、回避できると考えます。

(でも、焚書は、だめですよ。)


● ウェブサイト

海老名市立図書館のウェブサイトは、https://ebina.city-library.jp/library/ であり、海老名市ではなく、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)がドメインを所有しています。

CCCが撤退したら、現在の海老名市立図書館のウェブサイトは、大部分が消失してしまうのでしょう。地域の記録が消失しないかが、心配です。
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