無窮 i ラボ Blog

知的ネット社会、知そのもの、機械との共生、プログラミングに関して。

 
 

最近になって「知の国産」が話題にのぼるようになった。

近代日本では、まがいなりにも、外国技術の日本語による導入により「知の国産」が行われた。

外国技術の導入は、日本語を用いることにより、それ以前に日本がもっていた技術の改良という形態で進められたのではないか。つまり、日本の技術の脈絡は、文明開化の浮ついた時代においても保たれたのである。

さて、現在、英語圏では「学習の高速道路」の整備が急速に進んでいる。

梅田 望夫 : ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書, 2007) p.172.

> 英語圏ネット空間の知は、「次の十年」で圧倒的に充実していくだろう。このまま十年が経過すると、英語圏の「学習の高速道路」が著しく充実し、英語圏に生まれ育つことの優位性がこれまで以上に増幅されてしまうのではないかという危惧すら抱く。

もし、日本語の「学習の高速道路」の整備が遅れれば、英語の「学習の高速道路」を走ってきた人が増えることになる。

そのような人は自らが新たに得た知見を英語で表現することだろう。こうなれば、その分野の日本の技術の脈絡は、ここで途絶えてしまう。

自国言語で技術が語られないことの、国的な損失は多大である。

立花 隆 : ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術 (文藝春秋, 2003) pp.176-177.

> 福居浩一『タイ文字を創れ』(化学同人 二八〇〇円)は、海外技術協力の一環として、タイ、インドネシア、ビルマなどで、技術書をその国の言葉で出版する事業に取り組んだ日本人の物語である。
 東南アジアに限らず、発展途上国では、従来、技術書が現地語で出版されることはなかった。

> 幾多の難関をのりこえて、...といった一般向けの技術書が五十八点も各地で出版され、大歓迎される。現地語の技術書が出ることで、その国の技術水準が大幅に上がる。

自国の技術の脈絡が途絶えるということは、将来における技術開発に、自国脈絡の技術が参加できないことを意味する。そして、発展しない技術は、その技術に関わった過去の自国民の辛苦と叡智を道連れにして消えてなくなるのである。
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関連:
自国言語による戦力化
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2008.02.09 11:18 URL | tk18(管理) #cAPDhLHE [ 編集 ]












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