無窮 i ラボ Blog

知的ネット社会、知そのもの、機械との共生、プログラミングに関して。

 
 

議論を口喧嘩にしないための方法について、先日なくなられた川喜田二郎氏の著書「発想法」に学ぶ。

「発想法」から考えたこと――まとめサイトは、議論を促進する


まとめサイトは、議論を促進する。

以下のようにすれば、まとめサイトは、議論をもっと促進できる。

  • まとめサイトにおいて、「この意見が言及している問題は何か」ということを明示する。

    新たな意見を表明しようとする人に、まず、問題を広げるのか、それとも、同じ問題に対して意見を述べるのか、二者択一をさせるように導くとよい。

  • まとめサイトにおいて、表明された意見を網羅する(トラックバックをたどる等して)。そして、意見の関係性を整理して公開する。その際、たとえ関係を見いだせない意見であっても、載せる。

  • 次の議論のために、長期間、維持する。まとめサイトは、議論の生産物である。


考えのもと――会議へのKJ法の応用


上記の考えは、川喜田 二郎 : 発想法―創造性開発のために (中公新書, 2008) p.161~のV章「KJ法の応用とその効果」「会議への応用」節を読んで、得たものである。

なお、KJ法とは、カードに意見を書きため、それをボトムアップ的に内容が同類のカードを束ね、さらにカードの束の内容と束同士の関係性を描いた図を作成して問題解決を図る方法である。

以下に、同節をまとめる。

会議の進め方:

1. 参加者が「なにを問題にするのか」について意見を共通の場に吐き出す。そして、問題の構造を組み立てる。全員が「問題はなにか」を共通の認識でつかむ。

2. ブレーンストーミング。批判の代わりに提案をする。「まとめる」自信があれば、ブレーンストーミングによる意見の発散は怖くない。

3. KJ法を用い、討論構造を図解し、それを参加者にフィードバックする(呈示する)。

4. 討論の全体構造をみながら、「よい、わるい」という批判を加える。

5. 最後に多数決。

この手続きの重要な点は、少数意見がみな一度は生かされること。「自分の意見に一度も耳を傾けてもらえないところにさびしさがあり、ひいては衆知を集めることに参加する情熱を失っていく。(p.168)」

図解とフィードバックによる効用:

  • 完全に遊離していた意見は図の上で一目瞭然になり、「よい悪いはまったくなにもいう必要がない(p.168)」状態になる。

    遊離していた意見は、問題の見方を問い直すきっかけになる。遊離していた意見の位置づけを可能にする考え方を考えることによって。

  • 「意見の内容についてはけんかした人間同士でも、どういう土俵で相撲をとったのかという構造の点では、反対はしない。(p.170)」

  • 意見の関係を正しくとらえることができる。

  • 「討論は同じ段階で堂々めぐりすることは不可能になる。そして、皆の努力はむしろ、新たな知恵をいかにしてつけ加えたり生みだしたりするかという方向に向かうのである。このように、一回ごとの討論結果をはっきりと生産物にして組み立て、それを踏み台にして、次の討論に立ち向かう場合には、そうでない場合とは状況がまったく違ってくる。(p.173)」
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